契約書

（参考例）認知症対応型共同生活介護契約書　※日弁連（日本弁護士連盟）ひながた使用

目次

第1条　目的

第2条　契約期間と更新

第3条　当共同生活住居の概要

第4条　介護計画の作成

第5条　甲の基本的権利

第6条　介護サービスの提供

第7条　身体不拘束

第8条　居室の利用

第9条　家族との連携と交流

第10条　金銭等の管理

認知症対応型共同生活介護契約書

甲（利用者）　　　　　　　　　　

乙（事業者）　　　　　　　　　　

（目的）

第１条　乙は、介護保険法関係法令およびこの契約に従い、甲に対し、共同生活住居において、家庭的な環境のもとで、甲がその役割を持って日常生活を営むことができるよう共同生活介護サービスを提供します。

２　乙は、甲の要介護状態区分、甲の被保険者証に記載された認定審査会意見に従って、サービスを提供します。

３　甲は、乙からサービスの提供を受けたときは、乙に対し、別紙「重要事項説明書」の記載に従い、利用料自己負担分を支払います。

（契約期間と更新）

第２条　この契約の期間は、

平成　　年　　月　　日から平成　　年　　月　　日まで

とします。

２　契約満了日の３０日前までに甲から書面による更新拒絶の申出がない場合、この契約は自動更新され、以降も同様とします。

３　本契約が自動更新された場合、更新後の契約期間は、期間経過の翌日から更新後の要介護認定の有効期間の満了日とします。ただし、契約期間満了日以前に甲が要介護状態区分の変更の認定を受け、要介護認定の有効期間の満了日が更新された場合、変更後の要介護認定の有効期間の満了日をもって契約期間の満了日とします

（当共同生活住居の概要）

第３条　当共同生活住居は、介護保険法令に基づき、豊島区長から認知症対応型共同生活介護事業所の指定を受けています。

当共同生活住居の概要および職員体制は、別紙「重要事項説明書」に記載したとおりです。

（介護計画の作成）

第４条　乙は、甲の心身の状況、希望およびその置かれている環境を踏まえて、介護従事者と協議のうえ、援助の目標、その目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した認知症対応型共同生活介護計画（以下「介護計画」という。）を、すみやかに作成します。

乙は、その作成にあたっては、通所介護の活用その他の多様な活動の確保に努めます。

２　乙は、介護計画作成後においても、その実施状況を把握し、必要に応じて介護計画を変更します。

３　甲は乙に対し、いつでも介護計画の内容を変更するよう申し出ることができます。

この申し出があった場合、乙は、明らかに変更の必要がないとき、または甲の不利益となるときを除き、甲の希望に沿うように介護計画を変更します。

４　乙は、介護計画を作成し、または変更した場合は、甲と甲の家族に対し、その計画の内容を説明します。

（甲の基本的権利）

第５条

甲と乙は、甲が乙からサービスの提供を受けるにあたり、本契約書において個々に定める他、次のとおりの権利を有することを確認し、乙はサービスの提供にあたり、甲の権利を尊重し、甲はこれらの権利を行使することにより乙から不利益な取扱を受けたり、差別的な対応を受けることはありません。

一　乙によるサービス提供において、甲の意思が最大限尊重されること。甲の意思を尊重するため、甲本人ないし家族らから、甲の家族歴・生活歴・病歴・職歴等を範囲で聴取し、それを最大限配慮すること。

二　乙によるサービス提供において、甲のプライバシー及び個人情報が可能な限り尊重されること。

三　乙は、本契約の内容ないしサービス提供に関連して、可能な限り分かり易く甲に説明して甲の理解を促し、また甲が誤解しないよう努力すること。

四　甲は自らの費用をもって自己が選ぶ医師や弁護士並びに税理士などの専門家といつでも相談できること。

五　甲は施設での運営に重大な支障がない限り、個人の衣服や備品を居室に持ち込むことができること。

（介護サービスの提供）

第６条　乙は、前条の介護計画に基づき、次項以下のサービス（その内容は「重要事項説明書」のとおり）を懇切丁寧に提供します。

乙は、甲およびその家族に対し、本条のサービスの提供方法等について説明をします。

２　乙は、介護保険給付対象サービスとして、次の各号のサービス等を提供します。甲は、食事の用意その他の家事等については、乙と共同して行うよう努めます。

乙は、食事の用意その他の家事等を行うことを甲に強要しません。

一　入浴、排泄、食事、洗濯、着替え等の介護その他日常生活上の世話

二　役所に対する手続の代行その他社会生活上の便宜の提供

三　専門的な知識・経験を要しない機能回復訓練

四　医師の往診の手配その他療養上の世話

五　相談、援助

３　乙は、次の介護保険給付対象外サービスを提供します。乙はその提供に当たり、甲およびその家族に対し、サービスの内容および費用について説明し、同意を得ます。

一　食材の提供

二　おむつの提供

三　理美容

四　レクリエーション

五　共同生活住居の利用

（身体不拘束）

第７条　乙は、甲または他の入居者等の生命または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他（薬剤の投与等）甲の行動を制限しません。

（居室の利用）

第８条　甲は、　　　号室（定員１名）を利用することができます。ただし、甲の処遇上必要と認められる場合は、本人の意向を確認し、定員を２名とすることがあります。

（家族との連携と交流）

第９条　乙は、甲の家族との連携を図るとともに、甲と家族の交流の機会を確保するよう努めます。

（金銭等の管理）

第１０条　乙は、甲の日常生活に必要な金銭の保管管理について甲と別途契約を締結した場合を除き、甲の現金、預貯金、その他財産の管理運用を行いません。

（利用料の支払い）

第１１　甲は乙に対し、介護計画に基づき乙が提供する介護保険給付サービス、および、介護保険給付対象外サービスについて、別紙「重要事項説明書」のとおり利用料等を支払います。

２　乙は、甲が乙に支払うべき介護サービスに要した費用について、甲が介護保険給付対象サービス費として市町村より支給を受ける額の限度において、甲に代わって市町村より支払いを受けます（以下「法定代理受領サービス」という。）。

３　乙は、甲に対し、毎月翌日１５日までに、当月の利用料等の請求書を送付します。

請求書には、甲が利用したサービスごとに利用回数、利用単位の内訳、介護保険給付対象と対象外の区別を記載します。

４　甲は乙に対し、当月の利用料等を、乙の指定する方法により支払います。

５　乙は、甲から利用料等の支払いを受けたときは、甲に対し、ただちに領収証を発行します。

領収証には、乙が提供したサービスごとに介護保険給付対象と対象外の区別、領収金額の内訳を記載します。

（保険給付の請求のための証明書の交付）

第１２条　乙は、法定代理受領サービスに該当しない介護サービスを提供した場合において、甲から利用料の支払いを受けたときは、甲に対し、サービス提供証明書を交付します。

サービス提供証明書には、提供した介護保険給付対象のサービスの種類、内容、利用単位、費用等を記載します。

（介護サービス記録）

第１３条　乙は、甲に対する介護サービスの提供に関する日々の記録を整備し、サービス提供の最終日から２年間保存します。

２　前項の介護サービスの提供に関する日々の記録には下記事項を記載するものとします。

①食事の有無・程度、内容、②入浴、③介護事故に関する事項（誤嚥、転倒など）、④医師の診断及び指導内容、⑤吸引、血圧を測定した場合の記録、⑥その他　バイタルチェックに関する事項、⑦外出、⑧身体拘束

３　甲及び甲の後見人は、乙に対しいつでも、前項の記録の閲覧及びコピーの提供を求めることができます。甲に意思能力がなく、かつ後見人がいない場合には、必要に応じて甲の家族は、前項の記録の閲覧・謄写を求めることができます。

４　前項の規定により、甲、甲の後見人、甲の家族がコピーの提供を求める場合、乙は実費相当額を請求者に請求することができます。

（契約の終了）

第１４条　次の各号の一に該当する場合は、この契約は終了します。

一　甲の要介護状態区分が変更され、自立または要支援と認定されたとき

（甲の要介護区分が変更され、自立、要支援１または要介護と認定されたとき）

二　甲が死亡したとき

三　甲が第１６条により解除したとき

四　乙が第１７条により解除したとき

五　甲が共同生活住居を離れて３か月を経過したとき、または３か月以上離れることを予定して他所へ移転したとき

六　甲が、他の介護保健施設へ入所することとなったとき

（甲の契約解除）

第１５条　甲は乙に対し、１週間前に予告することにより、いつでもこの契約を解除することができます。

２　甲は、次の事由に該当した場合には、直ちにこの契約を解除できます。

一　乙が、正当な理由なくサービスを提供しない場合。

二　乙が、守秘義務に違反した場合。

三　その他、介護保険法関連法令及びこの契約等に定める事項に著しく違反した場合。

（乙の契約解除）

第１６条　甲が次の各号の一に該当する場合は、乙は甲に対し、３週間前に予告することにより、この契約を解除することができます。

一　利用料その他乙に支払うべき費用を３か月以上滞納したとき

二　当共同生活住居を損傷する行為を反復したとき

三　入院治療が必要となる等乙が自ら介護サービスを提供することが困難となったとき

四　他の利用者の生活または健康に重大な危険を及ぼし、または他の利用者との共同生活の継続を著しく困難にする行為をなしたとき

（退去時の援助および費用負担）

第１７条　甲が当共同生活住居を退去するときは、乙は、退去後の甲の生活環境および介護の継続性に配慮し、甲および甲の家族に対し必要な援助を行うとともに、居宅介護支援事業者への情報提供、保健医療サービスまたは福祉サービス機関等と密接な連携に努めます。

２　甲の退去までに甲の生活に要した費用等の実費は、甲の負担とします。

（精算）

第１８条　この契約が終了した場合に、甲が乙から既に受領している利用料等に係る介護サービスのうち、未給付の部分があるときは、乙は甲に対し、未給付部分に相当する利用料等をすみやかに返還します。

（損害賠償）

第１９条　乙は、介護サービスの提供に当たり、甲の生命・身体・財産に損害を生じさせた場合は、甲に対し、速やかにその損害を賠償します。

ただし、損害の発生が不可抗力によるときは乙は賠償の責めを負わないものとし、甲の重過失による場合は、賠償額を減ずることができるものとします。

２　乙は、ゼネラリ保険会社の損害賠償責任保険に加入しています。

３　甲の故意または重過失により居室または備品に通常の保守・管理の程度を越える補修等が必要となった場合は、甲がその費用を負担します。

（医療機関等との連携）

第２０条　乙は、保健医療サービスまたは福祉サービスを提供する者との密接な連携に努め、甲による利用状況等を把握するよう努めます。

２　乙は、甲の疾病、負傷等に備え、適時に診断、治療その他必要な措置が受けられるよう協力医療機関を定めておきます。

３　乙は、サービス提供体制の確保および夜間における救急時の対応のために、別紙「重要事項説明書」記載の施設と連携・支援体制をとっています。

（身元引受人）

第２１条　乙は甲に対し、身元引受人を求めることがあります。ただし、身元引受人を立てることを困難とする相当の理由がある場合は、この限りではありません。

２　乙は、甲の心身の状況および言動等に変化があったときは速やかに身元引受人に通知します。

３　身元引受人は、次の各号の責任を負います。

一　甲が医療機関に入院する場合、入院手続きが円滑に進行するよう乙に協力すること

二　この契約が終了した場合、適切な移転先の確保等について乙に協力すること

三　甲が死亡した場合の遺体および遺品の引き受けその他の必要な措置をなすこと

（秘密保持）

第２２条　乙および乙の従業員は、正当な理由がある場合を除き、甲に対する介護サービスの提供に際して知り得た甲および甲の家族の秘密を漏らしません。

２　乙は、乙の従業員が業務上知り得た甲、甲の家族および身元引受人の秘密を退職後漏らすことがないよう必要な措置を講じます。

３　乙は、甲または甲の家族の情報を第三者に提供する場合は、事前に文書で同意を得ることとします。

４　第１項の規定にかかわらず、乙は高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律（いわゆる「高齢者虐待防止法」）に定める通報をなすことができるものとし、その場合、乙は秘密保持義務違反の責任を負わないものとします。

（苦情処理）

第２３条　甲、甲の家族または身元引受人は、提供された介護サービスに疑問や苦情がある場合、いつでも別紙重要事項説明書記載の苦情受付窓口に問い合わせや苦情申立てをすることができます。その場合、乙は迅速、適切に対処し、サービスの向上、改善に努めます。

２　甲は、介護保険法令に従い、市町村及び国民健康保険団体連合会等の苦情申立機関に苦情を申し立てることができます。

３　乙は、甲、甲の家族、または身元引受人が苦情申立を行った場合、これを理由として甲に対していかなる不利益待遇、差別待遇もいたしません。

（合意管轄）

第２４条　本契約に起因する紛争に関して訴訟を提起するときは、東京地方裁判所を第一審の合意管轄裁判所とします。

（契約の定めのない事項）

第２５条　この契約に定めのない事項について疑義がある場合は、介護保険法令その他法令の定めを尊重し、乙と甲、甲の家族および身元引受人が協議して解決するものとします。

以上

〔契約書署名欄〕

以上のとおり契約したので、本書２通を作成し、甲乙各１通ずつ保有することとします。

平成　　年　　月　　日

（甲）私は、この契約の定めるところに従い、貴住居においてサービスを利用することを申し込みます。

サービス利用者

住　所

お名前　　　　　　　　　　　　　　印

電　話　　　　　　　　　

署名代行者又は法定代理人

私は、下記の理由により、上記署名を甲に代わって行いました。

理由

□私は、甲の契約意思を確認しました。

□私は、甲の法定代理人です。

住　所

氏　名　　　　　　　　　　　　　　印

電　話　　　　　　　　　

身元引受人

私は、身元引受人の責任について理解しました。

住　所

氏　名　　　　　　　　　　　　　　　印

電　話　　　　　　　　　

（乙）私は、認知症対応型共同生活介護事業者として甲の申し込みを受諾し、この契約書に定めるサービスを誠実に責任を持って提供します。

サービス事業者

住　所　

名　称　

代表者  　　　　　　　　　　　　　　印

電　話